爪つきジャッキのトラブルシューティング
「故障かな?」っと思ったら
「故障かな?」と思った場合でも、実際には故障ではないことがあります。修理を検討する前に、まず以下の項目をご確認ください。
- リリーススクリューがしっかり締まっているか?
- 対象物の荷重が、ジャッキの許容荷重を超えていないか?
- 作動油が不足していないか?
- シリンダ内にエアが入っていないか?
- スチールボールが抜けていないか?(※2014年10月以降の製品には該当しません)
- 爪部ヘッドボルトが適切に締め付けられているか?(※ヘッドボルト方式ではないEシリーズには該当しません。)
以下に各項目について詳しく説明します。
1. リリーススクリューがきっちり締まっているか?
症状
- リリーススクリューがしっかり締まっていない場合、ポンプ操作を行っても爪(ラムシャフト)は上昇しません。
- 無負荷の場合は爪が上昇することがありますが、荷重がかかると沈下します。
対処方法
- 付属の操作レバーを使用し、リリーススクリューをしっかり締め付けてください。
2. 対象物の荷重が、ジャッキの許容荷重を超えていないか?
症状
- ジャッキ操作中に「カクン」と急に圧力が抜ける感覚があり、それ以上上昇しなくなる場合があります。
- これは内蔵されている安全弁が作動しているためで、オーバーロードを防ぐ安全機構の正常な動作です。
対処方法
- ジャッキをもう1台追加するか、より大きな能力を持つジャッキをご使用ください。
3. 作動油が不足していないか?
症状
- 爪が最伸長まで上昇しない、または途中で上昇が止まる場合は、作動油の不足が考えられます。
対処方法
- 作動油を補充してください。詳しい方法は以下のリンクをご覧ください。
作動油の補充方法はこちら
4. シリンダ内にエアが入っていないか?
症状
- シリンダにエアが混入している場合、ポンプ操作をしても爪(ラムシャフト)は上昇せず、「プカプカ」と上下動を繰り返します。
対処方法
- シリンダのエア抜きを行ってください。詳しい方法は以下のリンクをご覧ください。
エア抜き方法はこちら
5. スチールボールが抜けていないか?
(※2014年10月以降の製品にはスチールボールは使用されていません)
スチールボールの必要性は、リリーススクリューの形状で確認できます。詳細は以下の資料をご参照ください。
リリーススクリューについての資料はこちら
症状
- リリーススクリュー部のスチールボールが抜けている場合、ポンプ操作を行っても圧力がかからず、爪(ラムシャフト)は上昇しません。
対処方法
- スチールボール(直径φ5.55の鉄球)を再度取り付けてください。紛失した場合は、ジャッキ購入先の販売店にご依頼ください。
スチールボールが抜ける原因
- リリーススクリューを緩めすぎると、オイルの流出とともにスチールボールが流れ出ることがあります。この場合、スチールボールを元に戻さないとジャッキは動作しません。
6. 爪部ヘッドボルトが適切に締め付けられているか?
※ヘッドボルト方式ではないEシリーズには該当しません。
症状
- 爪部ヘッドボルトが締めすぎている場合、上昇作業時や下降作業時の操作が重くなります。
- ヘッドボルトが締めすぎると、爪部裏側のメススライドと本体側のオススライドの間の必要なクリアランスがなくなり、摺動が妨げられるためです。
対処方法
- 爪部ヘッドボルトを0.5~1回転緩めてください。