ソードは、ミャンマーの障がい者に
将来への夢と希望を
与えてくれました。

ネイ・リン・ソーさん ミャンマーで障がい者の自立支援に取り組む団体MILI(Myanmar Independent Living Initiative:ミャンマー自立生活協会)の代表を務める。3歳のときにポリオによって歩行機能を失い、車いすの生活に。ミャンマーで障がい者が運転免許を取得可能になったのは2015年6月。認可のための働きかけを行ってきたネイ・リン・ソーさんは、訓練を重ね自身も免許を取得している。

車の運転が、長年の夢だった

2005年に奨学生として日本に滞在する機会がありました。そのときに私たちのような障がいを持つ人にも運転できる車両を見て以来、いつか自分も車の運転をしてみたいと強く願うようになりました。それは私ひとりだけのためではなく、私のような病気や、事故、また、地雷などによって足を失った、多くの仲間にとって共通の夢だと感じていました。内政の混乱が長く続いたミャンマーには、医療の遅れなどが原因で、障がいを持つようになった人が大勢います。障がい者の社会参加はむずかしく、社会的理解も進んでいません。

私たちも健常者と同じように車の運転ができることが広く認知されれば、障がい者の能力が見直されるきっかけとなり、職業を得るチャンスもひらけるでしょう。そのことから、まずは私が先駆けとなれるよう、SWORD(ソード)を用いて運転の練習をするとともに、2015年までは認められていなかった運転免許の取得が可能になるよう、働きかけを行ってきました。

ソードで、ミャンマー初の下肢障がい車運転免許取得者に

ソードと出会う前、日本で目にした専用の車両に、ミャンマーでもなんとか乗ることはできないかと日本財団に申し入れたことがありました。しかし、特殊な車両を継続的に提供してもらい、普及させるということは、なによりその費用面からあまりにハードルが高いものでした。ですから、その日本財団を通して、ソードという装置を寄付してもらえると知ったとき、さらには今野社長から手渡されたときは感動しました。やっと、夢が叶うと思ったのです。操作はとてもシンプルで、教わって運転に挑戦してみてすぐに、自分にもできると実感しました。同時に、これであれば、多くの障がい者が車を手で運転できるようになるという自信がわいたのです。ソードを使って安全に運転ができることを示して、障がい者に対する運転免許の交付を権利として堂々と主張できると思いました。

ミャンマーの下肢障がい者で、運転免許取得第一号となったいまの私の夢は、障がい者が、支援を受ける存在ではなく、経済的にも自立し、納税者として社会に貢献することです。ソードは、ミャンマーの障がい者に将来への夢と希望を与えてくれたのです。

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